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病気のお話コラム

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病気のお話コラム

病気のお話コラム

いつまでも元気で健康な身体でいるためには、規則正しい生活習慣とバランスの良い食生活を送ることが大切です。そして、次に大切なことは体の不調を感じたら、「仕事が忙しいからなかなか時間が取れなくて・・・」「お医者さんはちょっと苦手で・・・」と思って先に延ばさずにできるだけ早めの受診をして下さい。
不安を抱えたまま毎日を過ごすのは、楽しいものではありませんし、早期発見、早期治療をして頂くことが回復への一番の早道です。当診療所は、地域のホームドクターとして皆様がいつも元気で頂けるように健康を守るお手伝いをさせて頂きます。

第3回 検診について

検診とは、何の自覚症状もない時期から、念のために体のどこかに故障がないか系統的にしらべ、将来の疾病の発生を予防することを目的として行うものです。さらに、治療すべき疾患を早期に発見して、早期治療へと導くことも第二の目標として重要なことです。

太田診療所では、皆様のご希望に応じて、種々の検診を受けていただけます。具体的には問診、診察、身長体重測定(肥満度)、尿検査、便潜血反応、血液検査、心電図検査、胸部レントゲン、腹部レントゲン、腹部超音波検査、骨塩定量検査、胃カメラ検査などを受けていただけます。今回は、これらの検診からどのようなことがわかるかを解説いたします。

1.肥満度:過度の肥満の方には心臓病、高血圧症、糖尿病、痛風、脂肪肝など、いわゆる生活習慣病(成人病)が多いことは統計が示しています。当院ではBMI(body mass index)を用い肥満度を判定しています。BMIが18.5以下は低体重、18.5~25.0は正常体重、25.0以上を肥満とし、肥満の方は積極的に減量する必要があります。

2.呼吸器:胸部レントゲン検査では、肺癌や肺結核、肺炎など呼吸器疾患の早期発見を目指すとともに、心臓肥大や肺うっ血など心臓疾患のサインの有無についてもチェックします。喀たん細胞診検査では喀たん中の悪性細胞の有無をしらべます。呼吸機能検査(スパイロメトリー)では慢性閉塞性肺疾患(COPD)の有無などを調べます。

3.循環器:血圧測定をし高血圧の有無を判定し、心電図で心筋肥大や不整脈の有無をしらべます。高血圧が長く続くと動脈硬化が促進され、脳卒中、狭心症、心筋梗塞、腎不全など生命に直接かかわる危険につながりますので、高血圧と診断された方は、医師の指導下で塩分制限などの食事療法や運動療法さらには薬物療法を受ける必要があります。

4.消化管:胃カメラ検査で食道、胃、十二指腸の病変(潰瘍、炎症、ポリープ、腫瘍など)の有無を判定します。胃バリウム検査か胃カメラ検査かの選択は受診される方の自由ですが、検査の確実さや精密さでは胃カメラがはるかに勝り、組織検査も同時にできますので、当院では胃カメラ検査を行っています。大腸については、大腸ポリープや大腸癌は出血することが多いので、便の潜血反応検査をいたします。

5.肝臓、胆のう、すい臓:超音波検査(ゼリーをつけてお腹をなぞるだけの検査なので、無害で苦痛もありません)で観察します。肝臓ではその大きさ、脂肪の沈着や腫瘍性病変の有無、内部の血管や胆管の異常をみます。胆のうでは、胆石、ポリープ、腫瘍性病変の有無をみます。すい臓では、その大きさ、腫瘍性病変の有無、内部のすい管の異常をみます。肝臓の病気の種類は大変多いですが、代表的なものにはB型ウイルス性肝炎、C型ウイルス性肝炎、脂肪肝、アルコール性肝障害などがあります。問診(現病歴、既往歴、家族歴、アルコール歴など)、診察、血液検査(GOT,GPT,γ-GTP,ALP,HBs抗原、HCV抗体など)と腹部超音波検査でこれらの肝臓病の発見が可能です。すい臓の血液検査であるアミラーゼはすい炎の診断に必須のものです。

6.腎臓、尿路:尿検査でたんぱく、潜血反応などを、血液検査では尿素窒素、クレアチニンなどをしらべます。腎臓の病気は自覚症状のないことが多く、これらの検査での早期発見が大切です。超音波検査では腎臓を観察し、結石、のう胞、腫瘍性病変などの検出に有効です。また男性には前立腺があり、ある程度の年齢以上になると肥大し排尿障害がおこることがあります。超音波検査で前立腺肥大の有無が判定できます。前立腺癌の早期発見のための血液検査にはPSA(前立腺特異抗原)があり、有用とされています。

7.血液系:貧血や白血球、血小板の異常の有無をしらべます。貧血の原因には消化管や婦人科疾患による出血や血液自体の病気などがあります。従って、貧血の治療は原因疾患によって異なります。白血球数や白血球分類の異常はなんらかの炎症や血液疾患で見られる所見です。いずれにしても、さらに精密検査が必要です。

8.糖代謝・脂質代謝・尿酸:糖尿病、高脂血症,高尿酸血症ともに早期や軽症のうちは何の症状もありませんが、一旦合併症を発症すると生命の危機にもつながります。ですから、早期にそれらの兆候を発見し、食事や日常生活などのライフスタイルを改善し、病気の発症を未然に防ぐことが大切です。そういう意味から検診が最も価値を持つ分野といえます。糖尿病は尿検査で尿糖を、血液検査で血糖、ヘモグロビンA1Cやフルクトサミン(血糖の平均値を示す指標)などを用い診断します。高脂血症、高尿酸血症は総コレステロール、中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール、尿酸値などを血液検査で調べます。

9.骨粗しょう症:閉経後の女性や65歳以上の男性で骨が弱くなり、骨折や腰痛をおこしやすくなる病態のことです。レントゲンを用いる骨塩定量検査などで診断します。

10.腫瘍マーカー:いわゆる、癌反応血液検査です。代表的なものにはAFP(主に肝臓癌)、CEA(肺癌、胃癌、大腸癌など)、CA19−9(すい臓癌、胆のう癌など)がありますが、そのほかにもたくさんの腫瘍マーカーがあります。ただし、すべての癌がこの反応だけで診断できるものではなく、また異常値が出ても必ずしも癌があるとは限りません。結果の読みについては、医師との相談が必要です。

以上、当院にて受けていただける検診について述べましたが、すべての検査を一時に受けるのはやや困難です。40歳以上の方で京都市国民健康保険加入者の方や75歳以上の京都市在住の京都府後期高齢者医療広域連合の被保険者の方は、特定健康診査をまずお受けになるのが良いかと思います。当院では一年を通じて、いつでも特定健康診査を受けていただけます。内容としては、問診、診察、尿検査、血液検査、身長体重測定(肥満度)、血圧測定、心電図検査(65歳以上)です。費用は500円ですが、65歳以上の方などは無料です。

診療時間

胃カメラなど予約検査は午前8:30から 休診…木曜日午後・土曜日午後・日曜祝日
午前9:00~12:00
午後5:15~7:30
お電話でのお問合わせ 075-461-7568